強迫性障害とは
強迫性障害(OCD)は、特定の考え(強迫観念)が意思に反して何度も頭に浮かび、払いのけることができなくなる。また特定の行為(強迫行為)をしないと気が済まなくなることで、日常の生活に支障をきたす、メンタルクリニックでもしばしば認められる病気の一つです。
「ドアに鍵をかけたかな?」という不安のために家に戻ることなどは、たまにはあるかもしれません。しかしその不安やこだわり(強迫観念)が度を越しているために、何度も帰宅する(強迫行為)などして、日常生活に支障を来している状態を言います。この理由で精神科や心療内科に受診している人は、本邦では外来受診数のうち4%前後となっていますが、欧米では9%と極めて高く、精神科受診をためらっている人が多いことをうかがわせます。
強迫性障害の原因
発症の原因については、性格、生育歴、ストレスなどがあげられていますが、どうして発症するかの根本的な理由は精神科での研究でもまだよくわかっていません。強迫行為については、少しでも疑われる時は、メンタルクリニックなどへの受診が必要と考えてください。特に、周囲の人が困っているようであれば、家族など身近な人が一緒に心療内科への受診をするなど、早めに診断を受ける必要があります。
強迫性障害の治療について
一般的には、精神科など受診の上、認知行動療法のうち「暴露反応妨害法」を行い、強迫行為をしないで我慢するという行動療法の継続をすることになります。継続した心療内科などでの通院加療が必要です。
薬物療法については、心療内科などにて抗うつ薬を使用することになりますが、状態が安定してからの行動認知療法が必要なことが多いです。やはりこの場合も精神科での管理は必要となります。
この病気に対しての漢方治療としては、神経症の治療とほぼ同様で多数ありますが、メンタルクリニックでそれらを判断するにせよ、どれが患者さんに最も効果があるかというと、その選び方は難しいかもしれません。